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2008年から奈良県御所市で有機農業を営む。  御所市僧堂113-2    営業日 土曜   10:00~17:00     冬季休業11月~3月    Email matunagahatake @goo.jp          ℡090-2929-2958
by matsunagahatake
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農業とピクルス
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今年のナス。
この地域に多い白絹病という病気が大発生している。どんどん枯れてほぼ一畝全滅する勢い。
残りのナスもアブラムシ被害で厳しい。

これだけ大発生したのは初めての事。
この病気は未熟有機物に繁殖する為、有機農家には厄介もの。今年は堆肥を入れたのが失敗だったか?有機農家では土づくりが大切だと言うが、その方法を間違えると大きな被害を被ることになる。

ナスは二月に温床に種を播いて、出来るのは6月中ごろから。
途中、害虫被害で獲れなくなるが秋ナスが再び出来るから、長期戦になる野菜なのだが、こんな初期に無くなるのは困ったもの。


有機栽培のリスクと言えば当然だが、農家としてこれでは収入にならないし、枯れて行くのを見守ると言うことしかできない辛さは精神状態を揺るがす。
余裕があれば受け入れられるのだが・・・。

どれだけ周りの人に「有機農業は必要だ」と言われても「もう辞めたい」と思うことは毎年のようにある。
これから先、何か先行きがある訳でもなく、年を取ると共に転職は難しくなる。
年金も払っていなければ、子どもに何かを残してやると言うことも出来ない。
奈良のような山間地の農家はどこも厳しいだろう。

休み明け、私は色々なものを犠牲にしながら農業を続けることを決めた。
だが、それも多くの人の協力と理解が無ければ続かない。そんな危うさの上に私たちは立っている。

今、やっている全ての事は着実というより、悪あがきに過ぎない。

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ピクルス用キュウリが取れ始める。
毎年作っているのだが、在来種の為、病気に弱く作りにくい。
だが、このキュウリのピクルスは格別でディルと共に我が家では外せない野菜だ。

今日は販売所でピクルスを漬ける。

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キュウリ、玉ねぎ、ニンニク、ディル、ローリエ、ブラックペッパー、ハラペーニョを押し込む。
ブラックペッパーと調味料以外は全て栽培したもの。

ディルはキュウリのピクルスに最高に合う。

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ピクルス液を流し込み、脱気する。
これで1年以上食べられる。嬉しい。

カフェのオープンサンドの付け合わせにも出せる。
これでタルタルソースも最高に美味しい。

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液が余ったので、ハラペーニョのピクルスと人参、玉ねぎのピクルスも作っておく。

保存食作りも、こうして販売所がオープンして時間をかけて作れるようになった。
暮らしを紡ぐ販売所は物、時間、労働、全てを通して暮らしを紡いでいく場所のように思う。

決して利益優先の場では無く、ここに携わる人、利用するお客様、全ての人において暮らしを紡いでいく。
そんな感覚がここを訪れる人と共有できればと思う。


農業という業をしていても、利益以外の部分で暮らしが整うということ、保存食があると言うことはどこか安心感がある。
農業は厳しいし、社会の中で先行きの不安もあるが、一つずつ積み木を積み上げるかのように暮らしと密着してやっていきたい。

一度崩れても積み上げることはできるかな。


by matsunagahatake | 2014-06-14 02:43 | 日記
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